大学初日からパイロットの勉強!

9月、いよいよ大学生生活の始まりです。

 

この学期は、Basic Aeronautical Knowladge (基礎航空知識)と称し、パイロットとしての最初のライセンス「Recreational Pilot Licence」の学科試験に向けた科目です。

授業は週2日、8時30分から16時まで大学のキャンパスで行われます。残念ながら、入学してすぐに飛行機に乗れると言うわけではないのです。

 

授業が始まる1週間前、授業を担当する教官から「初日は大きなカバンまたは、スーツケースを持ってくるように!」というメールが届きました。そこで、私は大きめのカバンを持って行ったのですが、配布物が多すぎで全く入りきらないというハプニング...笑

下の写真の後ろに写ってる大きなスーツケースを持っていくべきでした。

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最初の配布物

こちらの画像でもわかる通り、ダンボール1箱と紙類が大量に配られます。

配布されたものは一番上から順に、

  1. Fuel Drain (燃料テスター)
  2. Rulers  (航法定規類)
  3. Charts (ERC, VTC, etc.) (チャート数種類)
  4. Pilot Logbook  (ログブック)
  5. En Route Supplement Australia (豪国内の空港の情報などが詰まった本)  
  6. Aeronautical Information Package (GEN, ENR) (飛行に必要なルール、法律集)
  7. RPL textbook  (RPLの教科書)
  8. VFRG  (有視界飛行のルール、法律集。カラフルなイラスト付きで読んでも頭痛にならない。RPLの学科試験のみ持ち込み可)
  9. 謎の重たいダンボー

そして気になるダンボールの中身はというと...

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大きなバインダーとまたまた結構重いダンボールが入ってます。

マトリョーシカかよ笑!)

そしてそのダンボールの中身は....

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航空法などが印刷された紙でした。

しかも結構な量!!!!

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これを見たとき、「こんな量覚えるなんてムリ!」と思っていましたが、実際には暗記する必要はなかったです。もちろん要点は覚えておかなければ飛行機を飛ばすことはできませんが(道交法知らずに車を運転できないように)、学科試験では試験範囲の指定されたページを持ち込むことができます。授業で教官が読んでるところをカラフルにハイライトすれば試験は大丈夫でしょう。(注、ハイライトやマークの仕方によっては持ち込み不可になるのでルールを確認しましょう!)

 

というわけで、皆さんも教官から大きめのカバンと言われたら、スーツケースを持っていくように!

 

これらを全部を配り終えたら、午後からは早速授業です!

初日とはいえ本格的な授業ですので、まだ教官のスピード感を掴めてないと思いますが、なんとかついていきましょう!

この日は、パイロットが飛行前のプランニングや飛行中に使うこともある「フライトコンピューター」と呼ばれる謎の円盤の使い方です。

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Flight Computer

コンピューターとはいえ電子機器ではなく、円盤をくるくる回して答えを得るというアナログなツールです。実はこれ、見た目以上に色々計算することができる優れものです。

 


初日から大量の配布物と授業もかなり詰め込まれて、やっと航空業界の一部になったなと実感できる1日でした。

しかし、航空学の勉強は、まだまだ始まったばかり!ゆとり教育を経験していた自分にはあまり慣れない「超詰め込み教育」が始まるのでした。

 

次回は「パイロットが一番初めに学ぶことは?」です。

パイロットになるための大学について

 オーストラリアにはパイロットを養成するプログラムを持つ大学がいくつかあり、それぞれに個性があります。中には、パイロットコースをうたっているにも関わらず、大学は飛行機を1機も所有しておらず、生徒が自分でフライトスクールを探さなければいけないところもあります。

 私の通う大学は、オーストラリアのニューサウスウェールズ州シドニーにあり、国内ではある程度有名な大学です。この大学はフライトスクールも備えており、2年目にシドニー近郊の空港で訓練を行います。また、学位も航空学でもらえるため、就職に関係あるかわかりませんが、響がいい気もします(笑)。

 

 プログラムは3年間です。流れを紹介します。

 

1年目

  • 数学や物理などの一般教養
  • 航空工学基礎(Basic Aeronautical Engineering)などの航空学の基礎教養
  • Recreational Pilot Licenseの学科取得

2年目

  • Recreational Pilot License(実技)
  • Private Pilot License (実技)
  • Commercial Pilot License (学科・実技)
  • Multi-engine Rating (実技)
  • Instrument Rating (実技)

の取得

 

3年目

  • Airline Transport Pilot Licenseの学科取得
  • 選択科目でインストラクターレーティングなどの訓練を受けるか、卒業研究をするか選べる。

 

 私の大学では、プロフェッショナルな人材を育てることを大切にしているため、途中でモチベーションを下げてしまった生徒はすぐに退学になってしまいます。これは入学後に知ったことですが、1年目に70人近い生徒の数があっても卒業する時には30人ほどになるようです。

 

 そんなことも知らなかった私は、短期間で事業用パイロットになるための資格がほぼ全て取れて、同時に学位ももらえるこの大学に魅力を感じ、12月にアプリケーションを送り、1月後半には合格通知(オファー)をいただくことができました。

 ギリギリまでオファーが来なかったため、2月入学には渡航の準備が間に合わなかったものの、9月入学という形を取りついにパイロット訓練生になりました。

エアラインパイロットのなり方 in オーストラリア

 パイロットという空を飛ぶ職業に一度は憧れたことがある方は多いのではないでしょうか。しかし、パイロットのなり方を調べてみると「自分は本当になれるのだろうか」と不安になることでしょう。

 

 日本国内では、パイロットになるための門がかなり狭いですが、海外に目を向ければほぼ誰でも自家用機のライセンスなら簡単に取れる国もたくさんあります。特にアメリカなどの国土の広い国では、車と船と自家用機のライセンスを持っている人もいるようです。

 

 プロのパイロットを目指すにしても、海外の方が安く効率的と言えるでしょう。しかし、日本の免許への書き換えはお金と時間がかかるので、海外で全てのライセンスとレーティングを取る方法は、日本の航空会社への就職はには遠回りかもしれません。ここら辺の情報はグーグルで調べればたくさん出てくるので調べてみてください。

 

 私は、特に日本の航空会社に勤めたい!という強い希望があるわけではないので、日本の私立大に入学することも考えましたが、どうせ訓練を行うのが海外なら、初めから海外に行った方がいいし、語学力も身につくのではないかと思い海外の大学進学を決心しました。

 

 エアラインパイロットになる方法はたくさんあります。パイロットになりたいと思っている皆さんには、このブログを通して海外に行くという選択肢もあるということを知ってもらえればと思います。

 

 次回は、私の通う大学について書いていきます。

 

 

 

このブログについて

 初めまして!

 現在エアラインパイロットを目指してオーストラリアの大学の航空学部に留学している者です。

 このブログではオーストラリアの情報や、大学のこと、そして訓練についても詳しく書いていきます。オーストラリアに興味がある方、留学に興味がある方、パイロットになりたい方に役立つ情報を発信できればと思います。

 

オーストラリアでのパイロット訓練や大学進学の情報は意外にも少ないです。

私の体験を生の声として届けていきますので、情報の少なさに不安になっている方はこのブログを通して少しでも安心していただければ嬉しいです。

質問も常時受け付けております。はてなブログのアカウントがなくてもできますので、なんでも気軽に質問&コメントください。